2017年2月4日土曜日

低侵襲とはいうものの

昨年,XLIFという手術手技で腸管損傷を生じた.
というニュースが報道されました.

今回参加したJALAS研究会でも,
・今後,いかにして腸管損傷を防ぐか?
というテーマで,解剖や手術手技の工夫に関する議論がなされました.

そこで,名古屋市立医大の水谷先生から,
「あまり,小皮切にこだわらずに,難しいと感じたら大きく展開する勇気が大切」
というメッセージがありました.

これは,とても大切な心がけだと感じました.

ともすれば,外科医は,
皮膚を◯cm切った.
ということに強いこだわりを持ってしまいます.
もちろん,
従来の方法と同じ危険性であれば,小さい皮膚切開の方が良い.
というのは事実.

でも,皮膚を少し大きく切ることで,
 腸管損傷,尿管損傷
を防げるのなら,躊躇せず皮膚切開を大きくすべきでしょう.

皮膚を切開する量は,低侵襲手術の一つの要素ではありますが,
他にも
 手術時間(麻酔時間)
 重篤な合併症をおこさないこと
 レントゲン被爆を最小にすること
など,複数の要因が関与します.

低侵襲手術であっても,危ないと感じたら,皮膚を大きめに切開する.
というメッセージは,今後も心に留めておこうと思いました.