2013年9月30日月曜日

自分が変化できるかどうかで進路を決める

先日,とある飲み会で強く感じたことがありました.
慣れ親しんだ職場において
・自分が,今の職場にとどまる.
・成功するかどうかは全くわからないけど,大きく環境が異る職場に異動する.

自分のキャリアを冷静に考えてしまうと,人間どうしても前者を選んでしまいますね.
出世を考えると余計にそうなります.

変化=リスク
と無意識に考えてしまいます.
確かに,変化することにはリスクがあります.
でも,実は,変化しないことには,もっともっと大きなリスクがあるのです.

そもそも,世界がすごい勢いで変化している時に,
全く変化しないということは,むしろ大きなリスクをとっているといえます.

転勤するか?留学するか?
といった話があれば,
「どちらが得か?」
ではなく,
「どちらがより変化できるか?」
と考えてみると,答えは選びやすいかもしれません.

同じ環境の中で,どんどん変化を起こせる人もいますが,
どうしても同じ環境に長くいると,安定を求めてしまいます.
組織にとっても,少し不安定な方が,案外変化を起こして,
進化できるのかもしれません.

2013年9月16日月曜日

ビッグデータ面白い

先日ブログで紹介した
ビッグデータ
についてのエントリー
クラウドデータベースとビッグデータについて

これ,本当に面白い領域だなあと最近思い始めております.
以前,クラウドのデータベースに興味を持ち始めた時と同じ感覚.

過去,何百年と医療に対して行われてきたアプローチが
根本的に変わってしまうかもしれません.
キーワードは,「因果関係ではなく,相関関係」
まさに,イノベーションです.

先日紹介した本

この本を読んでもらうと,面白さが伝わる?かもしれません(笑)

そこで,ビッグデータについてネットで色々調べてみたら
ビッグデータの中に見つけるビジネスチャンス
というわかりやすい動画を見つけました.

株式会社ホットリンクの
代表取締役の内山幸樹さんがわかりやすく説明してくれています.

プレゼンも非常に上手ですね.
わかりやすいので,興味ある人はぜひ.

本を買うか買わないかの判断

以前は,本や教科書を買うか?買わないか?
結構悩んでいました.

でも,最近は,
「買うか?悩んだ時は買う」
というシンプルなルールに基づいて行動しています.

悩んだ本を買うメリット
1)知識が手に入る(もちろんイマイチの事もある)
2)悩む時間とコストの節約(買いたいと思った本が,次の本屋に無いこともある)

悩んだ本を買わないメリット
3)お金が節約できる(ただし,機会損失の可能性もある)

結局,どちらにも一長一短があるわけで,
悩んだから正しい選択ができるわけでは無いことに気付きました.

であるなら,特に1)というメリットに注目して,
悩んだら買う.
と決めました.
3)については,その場ではお金が節約できますが,
知識を得なかったことによる機会損失は,
考えようによっては,無限大です.

例えば,非常に可能性は少ない例えかもしれませんが
1)書店で面白い教科書を発見した.悩んだけど買った.
2)家に帰って読んだら,ある術式のピットフォールについて書いてあった.
3)3年後,実際その知識が手術で役になった.合併症を防ぐことができた.

この逆の行動をした時のマイナスというのは,
1冊の本のお金では相殺できません.

本を買うかどうか迷ったら買う.
という戦術で,今のところ上手くいっている感じです.

2013年9月8日日曜日

クラウドデータベースとビッグデータについて

いつも読んでいるブログ
メタノート.comに,下記の本が紹介されていました.

↑一般書籍
(電子書籍も発売されています.)

少し話が前後しますが,
現在私が力を入れている
医療用のオンライン(クラウド)データベース.

おかげさまで,1万件を超える登録がありました.
1万件のデータ
というと,正直,どのように解析したら良いか?
と悩んでいました.

そんなところに,まさにタイムリーな本です.
現在,いろいろな本で紹介されている,
ビッグデータ
というキーワード.

まだまだ未知数ですが,今回読んだ文章の中から少し引用してみますと

以下本文からの引用
グーグルは、米国人が検索時に入力した言葉のうち、上位5000万件を抽出した。そして2003年から2008年までの季節性インフルエンザの流行に関するCDCのデータとの相関関係を調べた。つまり、インターネットでの検索内容から、インフルエンザ・ウイルスの感染状況が明らかになると考えたわけだ。

(補足)グーグルは,これまでとは全く別のアプローチで,インフルエンザの流行しているエリアを見つけることに成功した.これは,病院から集めたデータではなく,インターネットの検索内容の中から,"CDCが出したインフルエンザ流行に関するデータ"と,高い相関を有するものをピックアップすることで,インフルエンザの流行を捉えた.

従来の方法
日本人が胃癌になるリスクを推測するためには,
日本人の中から,ランダムに抽出した人(スモールデータ)について,過去の因果関係に関する知見から,医師が胃癌になるリスクと予想した因子について,統計解析していた.

ビッグデータを用いた解析
実際に使用するデータは,特定の抽出されたデータではなく,日本人全体のあらゆるデータ.そして,因果関係に注目するのではなく,相関する因子に注目する.
もしかしたら,胃癌の発生と「持ち家の有無」,「家から職場までの移動距離」といった,全くこれまで注目されてこなかった因子が,高い相関を示すかもしれない.

以下本文からの引用
例えば、個人の融資返済能力を数値化した「与信スコア」は、個人の行動の予測に使われている。与信スコアという概念は、1950年代にフェアアイザック(FICO)という会社が開発したものだ。  そのFICOが2011年に「服薬遵守スコア」(患者が薬剤を処方どおりに服薬しているかどうかを示すスコア)という概念を開発した。このスコアは同一の住所地での居住期間、単一の職場での勤続年数、自動車所有の有無など、ちょっと変わったものも含め、さまざまな変数を分析し、「医師の指示どおりに服薬できる人物かどうか」を判定する。

(補足)
仮定ですが,ビッグ・データの中から,服薬遵守スコアに相関する因子として,「自動車所有」だとか「単一の職場での勤続年数」といった項目が見つかるかもしれない.
そこから,なぜ?(因果関係)はわからないが,結果を予想するのには大変役立つデータである.

とても,面白い内容の本です.
私の説明が上手く無いので,伝わりにくいですが
これまでの,「全体の傾向を予想するために,ランダムに抽出したデータから,因果関係を予測して,抽出した予測因子について,相関を調べる.」
という方法から
ビッグデータから,因果関係は無視して,とにかく相関する因子を見つかることで,結果を正確に予想する.

というパラダイムシフトが起こっているようです.
このブログの書評がわかりやすいかも
マインドマップ的読書感想文



2013年9月6日金曜日

留学中の情報発信

今朝,熊本の病院に勤務されている,とある先生からFacebookで
メッセージをいただきました.

明日から,ドイツのフライブルク大学で研修を開始されるそうです.
以前から私のブログをちょくちょく,見てくれていたようで,
そのメッセージをいただきました.

3ヶ月であれ,1年であれ.
留学中は,ぜひブログを書いてほしいなあと思います.

理由
1)自分にとっても,あとから振り返って良い思い出になる.
2)ブログ経由で知り合いができる.
そして,
3)初めての留学生活は,失敗だらけなので,ネタが面白い.

やはり,他人の失敗ネタって,面白いですね(笑)
成功した話よりは,アクシデントに近い,失敗話の方が見る方は面白いです.
僕自身も,初めて留学したドイツのネタが一番面白かったですから.
(その当時はブログ書いてなかったのが残念)
男子トイレと間違って,女子トイレ使っていた事とか...

Facebookに留学生活の事を書いてもいいのですが,
FBだと,相手が見たいor見たくないにかかわらず,
配信されるので,ちょっと,自慢話っぽくなっちゃいます.

その点,ブログは,見たい人が能動的に見にいくわけですから,いいですね.

ちなみに,整形外科医の留学ブログとしては
留学日記のブログ(井上先生) UCSFの生活
『渡加とか』のブログ(Sandy先生)
(Sandy先生のブログは,現在は,留学生活から帰国後の話題)


2013年9月5日木曜日

整形外科外来でiPadアンケート

結構準備が大変でしたが,なんとかiPadでアンケートを集めるシステムが
稼働し始めました.
今のところ取得できるアンケートは
JOA CMEQ
JOA BPEQ
SRS-22
BS-POP(患者さん用)
などなど.

以前から紹介しているとおり,クラウドにデータが集まるようにしました.
使用したのは
Momonga
というサービス

Momongaのサービスを利用すると,
アンケートは,自分で設問を作ることができます.

集まったデータは,Wifi環境下であれば,その都度サーバーに飛びますし,
Wifiが無い環境下であれば,iPadに蓄積され,無線環境にあるときに
データを飛ばせます.

集めたデータは,csvやExcel形式に保存されるので,
あとから,点数を計算するのは,
Excel上で簡単な計算式を組み立てることで,可能になります.

今のところ
iPadアンケートの結果をMomongaに飛ばして,
手術のデータはSalesforceで管理する方法のしています.

本当は,Salesforceのシステム内でiPadアンケートの集計も
できたら良いのですが.

アンケート結果を,紙で集めていた時は,
1)紙のアンケートをたくさん用意する
(途中からHPにPDF形式で保存しておくスタイルに変更)

2)それを渡して,回収.

3)アンケート結果を,PCに入力して,得点を計算.
していました.

でも,いったんiPadで集められるようになると,
圧倒的に楽ですね.

今後の展望としては
集めたアンケート結果をその場で簡単にプリントしたい(患者さんに渡せます)
iPadのアンケートを複数の病院で連携してみる
などなど

ソニーレンズカメラ

久しぶりにソニー商品で,買いたくなるものを発見しました.
ソニーレンズカメラ
FacebookやTwitterでも,結構評判になっているようですね.
全く新しいコンセプトの商品です.

一眼レフカメラも良いのですが,撮ってすぐに
FacebookやTwitterに投稿したい.
かつ
スマホのカメラより,もう少しスペックの良いものがほしい.

というユーザーにはピッタリです.

動画もいい感じ.


詳しい記事はこちら速報:
ソニー「レンズスタイルカメラ」 QX10 / QX100 発表。無線接続でiPhoneにも対応


2013年9月3日火曜日

Google Glassで外科手術をライブ中継する実験

とても興味深いネット記事がありました.
Google Glassで外科手術をライブ中継する実験がアメリカで実施される

google glassのようなウェアラブルデバイス(オプティカル)は,
外科手術ととても相性がよさそうです.
私が実際に行っている手術を想定してみても
1)脊椎ナビゲーション画像をglassに映し出す
2)透視画像をglassに映し出す
これらの画像は,今まで,視線を移動させることで確認していました.
しかし,術中はできるだけ,術野から視線を移動させない方が
スムースに手術が可能になります.
その点からしても,メリット大ですね.

他にも,上記に紹介した記事のように
1)術者の視点で撮影された動画を医学教育に用いる
というのはとても有効な気がします.
従来のようにビデオで撮影された手術動画の場合,
術者がどこをみているか?
という情報が欠けています.
(ビデオを撮影しているのは,あくまで第三者です.多くは医者ではありません.)
上記の紹介記事にある動画をみてもらうとわかりますが,
関節鏡を扱っている医師が,
モニターをみているのか?それとも患者さんの膝をみているのか?
といった情報は,関節鏡を学ぶ際に,とても参考になりそうです.

この動画は,手術の器械出しをする看護師さんにも役立ちそうですね.
(医師が何処を見て手術をしているのかが理解できます.)

ウェアラブルデバイスについては,オプティカル以外にも,
色々なものがあり,5年も経たないうちに,かなり身近なものになりそうですね.

関連記事
【これからのハードウェアは装着型】注目のウェアラブルデバイス10選

電子カルテの情報を複数の病院で共有するシステム

先日,私の所属する岡山大学病院で
晴れやかネット
というネットワークの説明会がありました.

これは,同意の得られた患者さんについて,
岡山大学病院と倉敷中央病院が診療情報(カルテ,画像,検査結果など)を開示して,
あらかじめ認定を受けた施設(病院・医院)に所属するドクターが診療情報にアクセスできるというもの.

Windows PCから,特定のブラウザを経由して閲覧できる.
といった感じで,まだまだ,アクセスの制限があるものの,
今まで病院間で,ほとんど連携のなかった電子カルテ情報を
共有していこう.
という大きな一歩と言えますね.
説明会を聞いたところでは,システム上で簡単な統計処理もできるようです.

今後,セキュリティーの向上や患者さんの理解が伴って,
有効なネットワークを築くことができれば,
医療費の削減に有効かもしれません.

現在,患者さんが転院する際は,丁寧な診療情報を書きますが,
やはり,普段記載しているカルテや画像所見,臨床検査などが
共有できると,紹介先での無駄な検査を,多少なりとも省くことができそうです.

ただ,当面の問題点として
1)閲覧に関しては同意の得られた患者さんについてのみ.同意書は医者が取得する.
→これは,医者が説明しても良いのですが,
診療をサポートする人に任せてもよいのかもしれません.
現在,多くの病院では,同意書・承諾書といった書類がとても多く,
それをすべて医者が説明して,取得する.というのには限界がありそうです.

逆に,発展性としては
1)iPadやスマホからアクセスできるようになれば,
医師が自宅や出張先からでも適切な指示を出せる.

病院にいる看護師さんや当直医から電話で連絡を受ける際に,
画像や検査結果が直接見れたら,より適切な指示が出せますよね.
特に,我々整形外科医にとっては,レントゲンが見れるだけでも,
かなり診療に役立ちます.

個人情報に関わることでもあり,セキュリティーが最優先ですが,
医師の負担を減らしつつ,全体として医療費が削減できて,
患者さんが何度も侵襲的な検査を受けることがなくなるような
システムになれば良いと思いました.