2018年2月10日土曜日

整形外科は外科医にとって最後のオアシス?

先日,脊髄腫瘍の摘出を脳神経外科の先生といっしょに行いました.

ふと,脳神経外科の先生から,「最近は脳神経外科の領域でもカテーテル治療が主流になりつつあり,手術室よりカテ室にいることが多くなったんですよ.」とお聞きしました.

リンク:急性期脳梗塞に対する血栓回収療法の進歩

ちなみに,私達の病院の脳神経外科は,非常にアクティブなグループで,24時間ホットラインを運用しています.

血管内治療の流れは,心臓血管外科の領域にも
大血管に対する血管内治療
TAVI(タビ)経カテーテル大動脈弁留置術

外科医の仕事が減っていることは周知の事実ですね.
昔は,胃潰瘍で胃を部分切除する手術が行われていましたが,薬の進歩(PPIやピロリ菌の除菌)と内視鏡の普及で,今は胃を摘出する機会は少なくなりました.もちろん,抗がん剤の進歩も大きな要因です.

そういえば,最近は,オペ室の手術件数に占める整形外科手術件数の割合が増えている印象があります.手術件数が減る診療科が多い中,整形外科手術件数は現状維持もしくは微増という印象があります.

胸部外科,腹部外科に始まり,脳神経外科,心臓血管外科の領域でも,治療のパラダイム・シフトにより手術をする機会は減ってきているようです.

もちろん,移植医療(生体肺移植)のように外科系のスキルを存分に発揮できる領域も残っていますが,かなりの競争が予想されますね.

今後整形外科領域で,骨粗鬆症治療の進歩で骨折治療が激減する.
という未来がくるのかどうか.