2016年10月27日木曜日

勤務医にとってブラックな環境についての考察

電通社員の自殺について様々な意見が交わされています。

我々医師にとっても、決して他人事ではありません。
職場の労働環境や人間関係が悪化すると、同様の状態に陥る。
勤務医はその可能性が非常に高い職種だと思います。

医師は、国家資格として、ライセンス数を国が管理しています。
しかし、都市と地方で、その偏在が以前から問題視されています。

以前誰かが、
”医師の当直は、牛丼屋の深夜ワンオペと同様の構造的問題をかかえている。”
と指摘していましたが、現場をみていて、そのとおりだと思います。

Wikiより
ワンオペ(ワン・オペレーション)とは、人手が不足する時間帯(特に深夜)を中心に、外食チェーン店などで従業員を1人しか置かず、全ての労働をこなす行為をさす。

やらなければならない仕事はある けど
医師の供給がおいつかない

このミスマッチは、現場で解消することがなかなか難しいです。
構造的な問題だからです。

勤務医が、このような環境に置かれたとき、
どのように対応すればよいのか?
今回は、便宜上、
”仕事の量に対して、対応にあたる労働者の数が極端に少ない状態が、常態化している環境”
をブラックな環境と呼びます。
 
前提
・ブラックな環境は、労働者本人のせいではない。
・自分はたまたまブラックな環境に置かれているが、周囲にはそうでない環境が必ずある。
・現場にいる労働者同士で言い争いをしても解決しない。

ブラックな環境におかれて、疲弊した人にとって、有効なアドバイスというのは、
一定期間しっかりと休養する。
同じ環境の職場には復帰しない。

ここで、問題となるのが、ブラックな環境に一定期間身を置くと
・精神的に疲れきってしまい、自分の立場を俯瞰することができなくなる
・消耗してしまい、環境を変えるアクションをおこす気力がなくなる
・ブラックな環境で長時間労働していると、人脈が極端に狭くなる
そのため、自分一人では解決することが非常に困難になります。



つね日頃から
・自分の置かれている労働環境を俯瞰する習慣をもつ
・ブラックな環境からは身を遠ざける選択肢をもつ
そのためには、
しっかりと休養をとり、同業者以外の人たちとの交流を
生活に取り込んでおくことも大切でしょう。

ただ、これは、すでにブラックな環境に置かれてしまい、
精神的に疲弊してしまった人に対しては、
効果的な処方せんとはならないかもしれません。
疾病と同じで、予防が一番大切です。

私自身は、ちょっと行き詰まった時期に、
強制的にサンフランシスコに短期留学させてもらいました。

強制的に環境を2~3週間変える。(2-3日では短すぎます)
できれば、その期間は普段生活する場所から別の場所に移動して、
交流する人も完全に変える。
(そういった意味では、欧米の人たちがとる長期休暇は、非常に理にかなっています)

その期間に自分の置かれた環境を俯瞰してみる。
精神状態を回復させた状態で、他業種の人にアドバイスをもらう。
(同じブラックな環境にある人からのアドバイスは無効です)
同じ環境に戻ると、同じ問題がおこりますから、その後の対応も冷静に考える。

最後に、はるかぜちゃんが ”いじめ” に対して
秀逸なコメントを残しています。
ブラックな環境におかれた人にも通じるアドバイスだと思います。