2017年7月17日月曜日

Antifragile


"ブラック・スワン"という概念について掘り下げたナシーム・ニコラス・タレブの新書を購入しました.上下巻の力作で,まだ上巻を6割ほど読んだところです.

Fragile(壊れやすい)の反対の言葉は?
という問いかけから物語は始まります.
一般には,強固なもの,頑丈なものといったイメージになるかと思います.

ですが,タレブは
Fragileの反対の概念は,Anti-Fragileであるといいます.
Fragileは衝撃に弱いもの,衝撃を加えてはいけないもの
Anti-Fragileは,衝撃を加えることでむしろ強くなったり,機能が向上するものだそうです
(そういった意味で,Fragileを負,Anti-Fragileを正とすると,強固なものはその中間)
壊れ物注意(Fragile)に対して,衝撃を与えたほうが望ましい荷物(Anti-Fragile)という概念はなかなか衝撃的でした.

ただ,このような構造は,気づいていないだけで,人間が生きる環境においては,よくみかけるものだそうです.

・潰れやすいレストラン(Fragile)があるおかげで,レストラン業界全体が消滅することはなく,むしろ潰れやすいレストランが多く存在するおかげで,レストラン業界自体はより強くなる構造(Anti-Fragile)

・生物(例えば人間)は死ぬというFragileがあるお陰で,その生物全体としては,常に強い遺伝子が子供に引き継がれる構造をもって,Anti-Fragileになっている.

脆いもの(Fragile),強固なもの,Anti-Fragileなものという3つの概念を用いて,本書においても,ブラック・スワンに対する対応について述べられています.

ちょっと,衝撃すぎる内容と,タレブの熱い主張を解釈するのに時間がかかりそうですが,もう少し読み進めてみたいと思います.