2017年7月15日土曜日

電話が嫌いな人達

最近,電話の生産性の低さに嫌悪感を持つ人が増えてきました.

堀江貴文氏「電話してくる人とは仕事するな」

医療の現場では,院内PHSなどの携帯電話を持ち歩くことが一般的だと思います.
緊急の連絡をする際にはとても便利です.

私は,外来にご家族を呼んで手術の説明をする際は,通常の外来枠ではなく,特別な予約枠を設けて,そこで説明をするようにしています.
ご本人,ご家族にとっては,自分の治療方針を決定するため,とても重要な時間です.
特に背骨の手術は,合併症のリスクも高く,慎重に説明をするよう心がけています.

とある患者さんに,手術の説明を行っていると,立て続けに,3件の電話がかかってきました.要件はまったく緊急性のないものでした.こちらは,緊急性のある電話だといけないと思い,3回とも対応しましたが,患者さんにとっては,おそらく気分を害されたことでしょう.

このシチュエーションで,私と患者さんが話している場に,突然割り込んできて,話を遮って,要件を言い始める人がもしいたとしたら,「この人は頭がおかしいのか?」と思ってしまいます.でも,電話だと悪気なく,このような空気を読めない行動が起こってしまいます.

上記の例を考えてみればわかりますが,電話は,かける側にはとても便利ですが,受け手にとっては,最悪のツールであることは間違いありませんね.

それに対して,e-mail,LINE,Facebookメッセンジャーといったテキストメッセージは,受信側が楽で,送信側に負担がかかるサービスです.電話をかけるのは,たまたまおもいついてから,準備0秒で可能ですが,要件を日本語で文章にして連絡するのは,大変です.

おそらく,堀江さんに仕事の依頼をする場合,依頼者側は,「長文のメールを書いても読んでもらえなかったら自分の時間が無駄になるから,電話してみよーっと.」とか「メールの文章は味気ないのでやはり,直接話しをしたほうが熱意が伝わる」と言った理由で電話をするのでしょう.そういった電話が,1日に数十件(数百件?)もかかってくると,嫌になるでしょう.逆に,気合の入った講演依頼の文章を書こうと思うと,30分くらい推敲しないといけないし,それを読んだ人が,1秒でアーカイブしてしまう可能性も十分にありますから.