2017年10月30日月曜日

最悪の人材を取り除けば,最良の組織ができるのか?

紹介したい記事が多かったので,連投です.

エリック・パーカー著 残酷すぎる成功法則


橘玲:エリック・バーカー『残酷すぎる成功法則』序文

人間社会ではほぼ普遍的に,最悪のものをふるいにかけて取り除き,平均値を上げようとする.だがそれと同時に,分散も減らしている.
釣鐘曲線の左端を切り捨てることは,たしかに平均値を改善するが,同時に,左端と思われながら,じつは右端の素晴らしい資質と不可分一体の特性を切り捨てることになりかねない .

日本の企業がグローバル企業に太刀打ちできない大きな理由として
・新卒一括採用で,組織にフィットする平均的な人材を採用する.
・出産後の女性,転職市場に存在する個性的な人材,海外の人,LGBTといった多様性をもつ人たちの採用をしない(できない).

最悪のものを取り除いていけば,最良の組織ができるのか?
釣鐘曲線の両端(多様性を持ったメンバー)を切り捨てて,平均化した集団が完成します.そのようなメンバーで構成された組織において,「イノベーションを起こすために,良いアイディアをだしなさい」と鼓舞したとしても,虚しいだけです.そもそもイノベーションを起こせるメンバーは最初の段階で切り捨ててしまったのですから.

イノベーションを起こす人材というのは,常に,釣り鐘曲線の両端にいるのです.

これからは,基本的には,圧倒的な個性を持った人たちが,プロジェクトごとに集まり,少人数で行動を起こす.まさに,フリーエージェントの時代となるのでしょう.

そして,大企業の平均値を目指す戦略も,今後はどんどん厳しくなりそうです.




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