2017年10月18日水曜日

医療の理想郷

私達の住む日本は,現時点では,”医療の理想郷”だと感じています.

高度な医療が,全ての国民に,驚くべき価格(安価)で提供されているからです.

もちろん,救急車のたらい回し問題や,小児科医,産科医の不足など問題が無いわけではありません.それでも,全世界を見渡しても,これ以上に素晴らしいシステムはそれほど例が無いと思います.

ですが,このような理想郷が,今後何年維持できるのか?と聞かれると,「もうそう長くはもたないだろう」というのが本音です.

リンク:成功報酬型の薬価制度導入?!

仮に現在の日本の社会保障制度が今後も維持できる可能性を探るなら
・病気になる可能性の少ない若者を増やす(移民の大量受け入れ?)
・皆保険で行える治療の上限を設ける(所得による格差を認める)
・必要な費用を増税で賄う

2番目は,アメリカの大統領のように権力がある人物ならできるかもしれませんが,日本のシステムではまず無理でしょう.そのような公約を掲げた政党が第一党になることはまず無いでしょうから.
3番目は絵に書いた餅ですね.それができるなら苦労はありません.

今の日本の医療制度は,「病院で使える使用限度額のないクレジットカード」を国民全員に渡して,その支払を国が行っているのに近い状態です(ちょっと極端な例ですが...).理想郷ではありますが,それが長期に渡り維持可能なシステムでは無いことは明らかかと.