2018年5月28日月曜日

将軍と商人(あきんど)

先週は,日本整形外科学会が神戸で開催されました.
今回は,演題が落ちたので,学会には参加しませんでしたが,1日だけ神戸に出向いていろいろな医師たちと交流を深めてきました.

医師の世界で名を轟かせると聞いたとき,一番最初に思いつくのは医学部の教授職でしょう.この道は,戦国時代に武士が出世して将軍になるプロセスと似ています.
もちろん,本人の実力(戦国時代であれば戦で成り上がる)が最重要でありますが,それ以外に,時代の流れや,実力者との協力(時に裏切られる),人望など,様々なことへの配慮が必要となります.人間関係においても,決して脇を甘くすることなく,揚げ足をとられないように,周囲にきめ細やかなケアが必要となります.そして運も大きく作用します.橘玲さんの書籍の中では,社会資本の中の「政治空間」と呼ばれているエリアです.
分をわきまえる.集団の中で一番になることが目的となります.

以前,私は,医師の世界で出世するというのは,「教授」以外にモデルケースを知りませんでした.

でも,最近では,橘玲の言うところの,「貨幣空間」で,のし上がってきた人達と出会う機会が多くなりました.この道は,江戸時代で言えば商人(あきんど).両替商や呉服商など,様々な商売で世に名を轟かせた人達です.与えられた条件のなかでもっとも効率的に貨幣を増やすこと.人間関係はフラットで,一番を目指す必要性がありません(世界一のお金持ちでなくても,幸せなお金持ちは無数にいる).商売のルールとして,「正直」「契約の尊重」「見知らぬ他人との協力」などが重要になります.

この2つは,どちらがいいか?という答えはありません.
そもそも戦うフィールドが全くことなるので,両者(将軍と商人)が出会うことすらあまりないでしょう.

でも,世の中には,2つのフィールドが広がっている.ということは知っておいたほうがよいと思いました.

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