2018年9月6日木曜日

空飛ぶロボットは黒猫の夢を見るか? part 1

2018/09/06 極地災害とビジネススピード
            この数年、日本全土で大規模災害が続いている。そのたびに感じていたことだが、グローバルなビジネススピードは極地災害でスピードダウンを余儀なくされた者に対して配慮しない。今年はその手の災害とニアミスを繰り返していたが、今回はホームグラウンドで地震に捕まった。ここで健康被害をこうむると人生のステージから退場することになるのは2年前の疾病で経験済みだが、無傷で乗り切った場合にはビジネススピードをいかに落とさないかが復帰の肝となる。
            今回実感したのは、ノウハウベースのビジネスはインフラ破壊に耐性があるということだ。今回は停電と交通遮断に見舞われた。幸いなことに携帯電話は使えるし、形態からのテザリングでネット環境も問題なく使用できる。このような環境であれば、電源が続く限りはビジネススピードに影響がないことが分かった。メインPCのデータは可能な限りクラウドドライブ化しているため、事業デザインやコンサル業務、開発業務はネットに接続している限り何の影響も受けなかった。まず最初にやったことは、今まで停滞していた案件を洗い出して、可能な限りの指示出しを行ってそれぞれの案件について自分を「待ち」の状態に置いた。今まで止まっていた案件も動き出し、レスポンスがあるまでは自分が被災していようが何だろうがプロジェクトは進むという状態にすることができた。その際に、自分が被災している状態であることを告げ、短期的にオーダーとして具体的に指示できるものと、自分からのレスポンスが消失した場合に進めてほしい方向性をふわふわとお願いしておいた。一週間くらいは音信不通でも大丈夫、というより全部にレスポンスがあったら一週間では処理できないくらい色々投げておいた。ちなみに、家の片づけやら何やらやりながら、あー、これは相談しておこうかなー、という感じで思い出したらメールするという感じでダラダラやった。だいたいこれで数時間。バッテリーはまだまだ大丈夫。
            今回は幸い避難などの必要がなく、ただただ停電で家に雪隠詰めという環境なので、夜に備えて日没までにキャンプ道具をそろえて家族を寝せる用意をした。そうするとやることが無くなってくる。そんな時は書き物をする。幸いというか、不幸にも3本ほど依頼原稿を積み上げていたので、カタカタとやる。最近は、書き物はiPadで寝っ転がってやると決めている。時折寝落ちしながら飽きるまでやる。だいたい10000字くらい書いたところで日が暮れてくる。同時にiPadの電源が落ちる。日頃はなんとなく避けていた仕事も、ほかにやることが無いと逃避半分で進みが良くなる。日没とともに家族と晩飯にする。ここにきて、家族の雰囲気はキャンプみたいになってくる。最終的にPCの電源が落ちると、あとは紙ベースの創造作業が適している。商品デザインやコンセプトデザインなどは、紙で行うとPCでやるものとまた違った味付けのものが出来上がることが多い。
            一日二日でサバイバルが終了しない場合はまた状況がシビアになってくるのであろうが、これまでの災害の状況を見ても、スマホすら充電できない状態が長期に続くということはまず無いようなので、iPadに充電が可能な限りビジネススピードはほとんど落ちないのではないだろうかという錯覚すら覚える。仮に最初からネット環境が遮断されていたとして、「接続したらこれを飛ばす」という案件処理を延々とすることで最終的にはスピードを維持しうるだろう。
            これを踏まえて、今後仕事の分類をこうやっておこうという私自身の工夫を提案しておく。
1.電源は命。特に乾電池最高。ヘッドライトは常時充電。
2.クラウドにすべてのプロジェクトの進行状況を俯瞰できるエクセルシートを作っておく。
3.進行状況は箇条書きにして、止め案件、待ち、のステータスをわかるようにしておく。
4.それぞれのタスクに必要な機材(専用固定設備要、オフィスPCレベル、ノートPCレベル、iPadレベル、スマホ、紙)のカラーリングをしておく。

            これで完璧。というより、不真面目な私は日ごろこんなことをやらないだろうから、飛行機移動や災害などでやることが限定されたときにこの作業をやるようにする。有事の際はネット環境と電源と相談してひたすら案件を「待ち」ステータスに放り込んで、あとはカラーリングに従ってできることをやって時間をつぶす。ビジネススピードは個人の都合に合わせてくれることは無い。であれば、能動的なアクションで追い抜くことも可能であるはずだ。災害や疾病によって自分だけがビジネスシーンから隔離されるとき、その隔離をスピードアップへのチャンスととらえるくらいの図太さが無ければ生き抜くことは難しいだろう。
            勤務医の通常業務?これは経営者が別にいるので経営者の責任においてどうにでもしてくれるとよい。最近はその辺のレスポンシビリティとコントリビューションは法人内のポジションに従って明確にするようにしている。契約内容以上の仕事に対するリワードを明確にしない職場に対して、職場の要求には応えないようにしている。こちらのプライドとして同じ契約を結んでいる同僚よりも数字は出すようにしているが。ちなみに公務員は非常の際にズルズルと義務を拡大する規約になっているので、私は絶対に公的機関で働かないと決めている。やるべきことはやる。やるべきでないことはやらない。これを守らずに使用者に都合の良い働きを進んで行うのは媚を打っているだけであり、契約そのものを侮辱しているとすら感じる。

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