2013年2月18日月曜日

contribution(貢献)

先日,これから先,人間の仕事がどんどん減っていく.
という話題をしました.

仕事に就くことが難しくなると思うと,暗くなりますが,
「自分が,周りの人にできる貢献とは何か?」
と考えてみると,新しい仕事のアイディアはあちこちに転がっています.

例えば英語が得意な人
ただ,英語が話せるだけでは,仕事になりません.

でも,例えば,
日本で病気になった外国人が病院を受診しやすいように,
総合病院で,まだ日本語のホームページしか作っていない病院について,
簡単な英語のホームページを作ってあげる.
というのはどうでしょう?

個人的なことですが,最近一眼レフのカメラを購入しました.
一眼レフのカメラがあると,かなりきれいな写真(人物,風景)がとれることがわかりました.
そこで,知り合いが,国際学会で発表しているシーンをきれいに撮影してあげる.
(撮影禁止の学会はダメですけどね.)
とか
自分の病院のドクターや看護師さんの働いている写真を綺麗に撮影して,
病院のホームページに載せる.
とか
退院する患者さんと担当の看護師さんを一緒に写真にとってあげて,次回患者さんが外来に来た時に写真をあげる.
など.

自分の専門分野から,少し外れたところには,まだまだ,困っている人(ニーズが満たされていない人)たちがたくさんいます.

その人達の役に立てることはないか?
つまり,”contribute(貢献する)”できることは何か?
を考えると,今後必要とされる仕事は,見つけやすくなりますね.

ゼロベース思考

同じ職場に長く勤務していると,毎年やることが増えてしまいます.
だいたい,仕事というのは,前年行った人に
「今年もお願い!!」
となりますからね.

ですから,時々,リセットする習慣が必要かもしれません.
毎年,決まってやっていることを,
思い切って,今年はゼロにしてみる.

毎年参加している研究会を今年は欠席してみる
とか
毎年参加しているゴルフ大会を欠席してみる
とか.

やめてみた時に,
「あー.やっぱり行っとけばよかった」
と思えるなら,次回は,ぜひ参加すべきですね.
でも,やめても,あまり影響がない場合は,
その時間を使って,まったく新しいことにトライしてみるのも楽しそうです.

今自分が行なっていることの延長に未来をえがくだけではなく,
あえて,一度壊してみて,ゼロから創りあげてみるのも良いかもしれません.

編集後記
しょうもないことですが,最近ハマっているのが
「電子マネー(Edy)」
以前は,1000円とか2000円単位で,入金していたのですが,
このごろは,5000円くらい一気に入金しておきます.

家の近くのコンビニ
病院の自販機
病院の売店などなど

最近は,ほとんどの場所で電子マネーが使用出来ます.
財布から小銭を出す.
そして
こちらがお札を出した時に,店員さんが小銭を探す
といった時間って,1年単位で考えると,結構な時間になりますよね.

電子マネーなら,
「シャリーン」で決算完了
クレジットカードのように,紛失した際の煩わしさもありません.
(お札をなくしたのと同じです.それ以上の損害はありません)

2013年2月16日土曜日

NPO法人の可能性

先ほどのエントリーの続きです

NPO法人の元であれば
1)Salesforceなどのクラウドデータベースを使用しやすい.
お金をNPO法人から出すことができますね.
2)人を雇える
入力業務を,契約した,人材派遣センターから派遣してもらった人に手伝ってもらうことも可能

などのメリットがあります.
上記を,個人のポケットマネーでまかなうのは,無理がありますから.

NPO法人は,これまでに存在しなかった,新しいニーズに対して,アイディア次第でいろいろ対応できるのが,一番のメリットかもしれませんね.

クラウドのデータベースとアンケート

今,手術データなどを管理するためのクラウドデータベースと
それに連動させるための,アンケート(クラウド)をいろいろ試しています.

愛媛大学の森野先生が,以前発表されていたように
iPadに入力されたアンケート結果を,院内のサーバー上に
蓄積していくアプローチがあります.

僕自身は,今後,多施設合同研究が一般化することも踏まえて
iPadに入力されたデータを,クラウドに保存して,
そのデータを,手術データを管理しているデータベースに入力する方法
を試しています.

実際には,
1)外来で,iPadを使用してアンケートを行う
(アンケート入力時は,無線LANが無くてもOKな,MOMONGAのサービスを,年間契約で使用することにしました)
2)入力されたデータを,ネットに接続したパソコン上で,エクセルファイルに変換
3)エクセル上で,JOA CMEQ, BPEQ, SRS-22といったスコアを計算
4)計算したデータを,手術のクラウドデータ(Salesforce)に入力

2)から4)は,NPO法人岡山脊椎グループで,契約した秘書さんに入力してもらう予定

この方法の前提として,個人情報は一切使用せずに,匿名化を行う必要があります.
メリットとしては
a) iPadを複数の病院に配布すれば,同じアンケートを実施できる.
→多施設研究にもってこいですね.
b)iPadをタッチするだけなので,入力が簡単
c)紙のアンケートを配布,回収,入力する手間が省ける

手術のデータベースと,それぞれの症例に対する術・前術後評価(アンケート)を上手く連動させるのが,成功のポイントだと思うのです.

2013年2月11日月曜日

ハイコンセプト

先日購入した本が大変おもしろかったです.
(まだ読んでる途中ですが)

ハイコンセプト
「新しいこと」を考え出す人の時代



冒頭にある
「カンニングOK」社会への転換
自分一人で考えたり,覚えていることの価値が今後下がってしまう.
グーグルで検索できることは基本的に無料.

その先に
「指導要領」があるようなものは,なかでもいちばん先に淘汰されるであろう.

ここで,はっとしたのが,医療で言うところのガイドライン
これって,今後,医者に頼らなくても,治療が行えるようになる足がかりになるかもしれません.

例えば,骨粗しょう症について言えば
飲んでいる薬(特にステロイド)を窓口でPCに入力
(内服薬の情報がクラウド化されたら,個人IDに紐付けされた薬情報で対応できます.)
骨密度(DEXA),骨代謝マーカーの値は,病院のデータから自動入力

とすれば,「あなたは,○◯の薬を飲みましょう」
と診断できてしまいますね.
このような,ガイドラインに準拠して行う治療は,将来はPCで行えるようになりそうです.
つまり,医師の手からどんどん離れてしまう可能性大.

むしろ,医師から,骨粗しょう症の治療をしましょう.
といわれるまでもなく,気になる人は,自分で検査を受けて,治療まで行えるようになりそうです(個人で診断するのを,お手伝いする仕事のニーズも出現しそうですね.).

さらに,
「第二の危機」次から次へと湧きだす「競争相手」では,
インドのナレッジワーカーについての解説があり
実例として,アメリカの病院から委託されてCATスキャンの画像を読む放射線専門医がインドの各地で見られるようになった.
と記載されています.

インドの企業が,1件あたりの読影料を各病院に申請する未来
というのは,それほど先の話ではなさそうです.
(病院側も,医師を一人雇うよりも,外注したら24時間対応してくれるとなれば,そちらのニーズが高くなるかも.)

本書の翻訳を行った大前研一氏は,
今後必要とされる仕事につくためには
「よその国,特に途上国にできること」は避ける
「コンピューターやロボットにできること」は避ける
「反復性のあること」も避ける
と指摘.
それでは,いったい何をライフワークにしたらいいのでしょうね(笑)

2013年2月8日金曜日

チェンジ・リーダーの条件 (はじめて読むドラッカー (マネジメント編)

金沢に行く途中にドラッカーをkindleで読みました.
ハイライトつけたところをご紹介
(kindleハイライト,便利ですね.)

市場の動向のうちもっとも重要なものは、人口構造の変化である。

 人口構造は、購買力や購買パターン、あるいは労働力に影響を与えるというだけの理由で重要なのではない。それは、人口構造が、未来に関して予測可能な唯一の事実だからである。

古代の偉大な科学者アルキメデスは、「立つ場所を与えてくれれば世界をもちあげることもできる」と言った。この立つ場所こそ、集中すべき分野である。集中することによって、初めて企業は世界をもちあげることができる。したがって集中の目標は、基本の基本ともいうべき重大な意思決定である。

そんななか,大きな気付きを得たのは
100の80%は、250の50%よりもはるかに少ない。
少し補足が必要ですね.

ある分野において,オンリーワンになることは重要ですが,
100のパイについて,80%を占めるよりも,
ライバルがたくさん現れる環境の中,
250のパイについて50%を占めるほうがいいでしょ.
という話.



↑電子書籍(kindle本)

↑紙の本


金沢にTESを見学に行きました(手術当日)

金沢大学の脊椎チーフの村上先生に温かく歓迎していただき,
ついにTESを見学することができました.

TESといえば,脊椎手術の中で,最高難度の手術

ある程度の出血は覚悟して行うのが一般的です.
ですが,今日の手術は,拍子抜けするほど出血が少なかったです.
術野の展開も,大変丁寧にされており,少しでも出血があると,入念に止血されていました.

難易度の高い手術を行う際
手術スピードを上げてトータルの出血量を抑えるタイプ

丁寧に展開・止血して,トータルの出血量を抑えるタイプ
の二通りの方法があります.

村上先生は,おそらく後者のタイプですね.
僕自身も,色々な方法を見て,自分で試してみましたが,目指すべきは,後者のスタイルかな?と最近考えていました.
そんななか,最高難度の手術をされている村上先生の手術を見学できたので,
「自分の目指すスタイルで,間違いないな」
と確信できた1日でした.

金沢大学には,私と同年代の先生もたくさんおられて,
Facebookやブログで交流があったので,初めて訪問した大学病院なのに,大変温かい感じで手術見学を終えることができました.

金沢大学のスタッフの先生には,心から御礼を申し上げます.

金沢にTESを見学しにいきました

2013年2月8日に金沢大学で行われるTES(Total en bloc spondylectomy)を見学するために,金沢市に前日入りしました.

2月7日は,観測史上初となる,最速の春一番ということで,すごい強風でした(汗)

今回の手術見学は,徳島大学の小坂先生と一緒.
小坂先生とは,昨年の日本脊椎脊髄病学会とアムステルダムで開催されたSpineweekで,面識がありました(Facebookの中でも,超人気ものですね).

私が先に金沢に到着して,小坂先生の到着をホテルで待っていたところ.
小坂先生のFacebookで,まさかの
「今日,コート忘れてきた.」
とのコメント(驚).
こんな寒い金沢に,ノーガードで乗り込んでくるとは.

金沢は雪は降っていなかったものの,台風並みの強風で,超寒かったです.

そんななか,スーツで颯爽と現れた小坂先生に
「寒くないんですか??」
と質問したところ,満面の笑顔で
「うん.さむいな.」
と.そりゃそうですね(笑).

さらに,
「金沢と高松の気温が同じだったから,いけるとおもったんやけど.それって,最高気温なんだよね.最低気温見てなかったわ.」と.
小坂先生は先輩ですが,ツッコミを入れざるを得ないコメントをいただきました.

でも,食事のため訪れたお店の中は,大変暖かく,二人でいろいろ楽しい話ができてよかったです.

2013年2月6日水曜日

英語論文を書くのに参考になること

現在,脊椎グループの抄読会に使用しているテキストはこちら

Orthopaedic Knowledge Update: Spine 4

このテキスト
1)1章あたりのボリュームが抄読会2〜3回で読みきれる
2)教科書として利用できる(内容に偏りが少ない)
という点ですばらしいのですが

英語の表現を勉強するのに大変役立ちます
今日読んでみて,気づいたのが
「受動態が少なく能動態の表現が多い」ということ
英語論文を受動態主体で書くか,能動態主体で書くかは,書き手の好みもあるものの
一般的には能動態を使用するほうがシンプルな表現になります.

Lumbar decompression was performed by us.
と書くより
We performed lumbar decompression.
と書くほうがすっきりしますよね.

でも,能動態で書くときって,
「どの動詞を使用するか?」
で結構悩みます.

というのも,英語では,同じ動詞を何回も使用するのは嫌われます.
ですから,似たような事を表現するために使用できる動詞をたくさん知っておくと便利.

そういった意味で,この本を,ほとんどのセッションをNative speakerが書いていますから,読みやすい文章を勉強するのには最適ですね.

英語の論文は,一流誌であっても,Native speakerもnon-nativeも書きますから,本当に読みやすい論文を探すのは少し慣れが必要になりますから.

医療用クラウドデータベース:病名と術式

現在,運用中のOkayama Spine Group クラウドデータベース
以前,「術式や病名はどのように決めたのですか?」という質問をいただきました.

実は,このデータベースのひな形を作成してくださったのは,香川労災病院勤務中のドクター(私の先輩です)

僕自身,このデータベースに,実際にデータを入力してみて一番驚いたのが
「病名と術式が,95%以上の確率で該当する」
ということ.

大学病院って,結構色々な手術をしているものですから,いったいどうやって,こんなセンスの良い病名や術式のリストを作ったのだろう?
と不思議でした.
しかも,データベースを利用するのは,大学病院だけではなく,複数の施設です.

そこで,データベースのひな形を作ってくださったドクターに質問してみたところ

「過去数年分の,各病院から提出のあった病名と術式を全て入れました」
とのご回答.

なるほど.ほとんどの術式や病名がヒットするはずですね.

複数の施設間で共有の病名や術式を利用するとしたら,過去の手術記録などから,実際に使用されているものをピックアップして,使用するのが一番効率が良いのかもしれませんね.