2017年5月19日金曜日

当直明けの勤務

救急病院の当直明けの勤務に関しては,以前から大きな問題として取り上げられていました.この問題は,一般の人には想像しにくいと思いますので,具体例を上げてみると.

仮に,月曜日の宿直を行った場合,
1)月曜日の朝8:00から17:00まで外来,手術,病棟業務を行う.
想像は難しくないと思いますが,この時点で,「あー.今日もよく働いたな」という状態
2)ここから,休憩無しで救急対応の時間に突入します.(運がわるいと)翌朝まで数時間しか寝ることができない可能性もあります.

火曜日の朝には,24時間働いた疲労と,睡眠不足のダブルダメージで「頭がぼーっとした状態」になり,明らかにパフォーマンスは低下しています.
3)そして,火曜日の朝8:00から17:00まで通常の業務(外来,手術,病棟)を行います.

実際に文章にしてみると,「かなり異常な環境」であることがわかります.3)の状態で,自分が診療を受ける立場になるとゾッとしますね.

この勤務状態は,日本全国で黙認された状態にあるので,医師が個人的にとれる防御策は,「当直明けには,外来や手術は入れずに,病棟業務を終えたら帰宅する」という1手になります.