本当に寒すぎます.
中国から1年間,張先生という留学生が岡山大学に
勉強にきています.
彼は本当に優秀で,英語もペラペラ,論文も1週間ほどで
書いちゃうほどの実力者です.
中国の事情をときどき話しますが,中国はアメリカに近い
医療体系のようです.
背骨の手術でいうと
インプラント(背骨を固定するのに使うチタン性の金属)を
手術で使用すると,一定のお金がDoctor feeとして,
医者に支払われる.
僕の感覚だと,腰の手術で,インプラントを使用する頻度は
だいたい2割程度だと思うのですが,中国では9割.
びっくりしたのが,椎間板ヘルニアをとるだけの20代の
患者さんにもインプラントを使用するようです.
これは,アメリカも似たような現状らしいのですが,
インプラントを使用するメリットとして,
1)病院の売り上げが上がる(インプラント,手術手技料も高い)
2)使用したインプラント代から,Doctor feeが支払われる
3)患者さんの短期成績がもっとも安定している.
1)と2)は分かりやすい理由ですね.
以上のような理由を聞くと,
「日本の医者はなぜ,インプラントをもっと使わないんだ!」
となります.
実際,彼は手術中いつもそういった質問をしてきます.
3)の短期成績が安定している.というのがくせもので,
中国やアメリカのお医者さんは,手術してから半年ほどの結果が
重要なのであって,数年後(もしくは10年以上たった後)の
結果は関係ないというスタンスです.
これは,「手術した直後に痛みがとれない」→「医者のせい」
という理由になるそうで,中国のDrが一番心配する点らしいです.
つまり,数年後の結果が良かろうが悪かろうが関係ないけど,
手術した直後によくならないのはこまるという理由だそうです.
中国では,手術をした直後に痛みがとれずに,
再手術になると,患者さんが,
「治療費は全額,病院が出せ!」と要求するそうです.
実際に,病院側がお金をだして解決することも多いそうです.
したがって,短期で確実に痛みがとれる治療を優先して,
長期的な問題にはあまり興味がないように感じます.
日本人の感覚だと,手術直後に調子が良いのはもちろんだけど,
数年後も調子が良い方法を選びたい.と考えるので,
インプラントを使用する手術への依存は少ないのです.
インプラントを使用する手術(病院は儲かる)をあえて
選択しないで,患者さんが長い目で見て幸せな方法を選ぶ.
ということです.
(インプラントを入れると,本来動く関節を固定してしまうので,
その隣の関節が悪くなる心配がある.)
短絡的にアメリカ型の医療はダメだ!とは言えませんが,
この点については難しい問題だと思います.
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