2012年2月26日日曜日

創造と破壊について

最近,仕事の方もわりと順調です.
難しい手術をしたり,論文を投稿したり,といった事が,以前よりかなり楽にできるようになりました.

でも,そんな時に考えておかないといけない事.

1)自分の得意な型にはまらないようにする.
要領よく仕事がこなせるようになると,自分の得意な型にはめて解決しようとします.
それでは,innovationは起こらない.
常に,過去の成功体験を壊して,新しい考え方を取り入れるようにしないと,時代のスピードから取り残されます.
型にはまって,成功していると思っていたら,実は古いやり方にこだわっているだけだった.
という事態は,避けなければなりません.

2)変化し続ける事が安定を生み出す
今の時代,社会がものすごい勢いで変化しています.
安定を求めるのなら,「高速に回転するコマ」のように,動き続けることで安定を築くのが良いと思うのです.

先日読んだ本で印象的だったのは.
「人間が変わる方法は3つしかない」
1つ目は時間配分を変える.
2つ目は住む場所を変える.
3つ目はつきあう人を変える.

時間配分を変える.については,
例えば,「1週間に1回英会話の教室に通う」といった,時間割りを変更するような事が有効でしょう.

住む場所を変えるというのは,今の僕自身の生活では,少し難しいのですが,これは,かなりインパクトのある方法.

つきあう人を変える.
これについては,SNSが有効かもしれません.
高い志を持った人は,自分の周りで探すだけではなく,Facebookなどを利用して探してみるのもいいかも.

最後に,海外に留学すると,視点が大きく変わる.
というのは,上記を考えると納得できますね.
海外に留学すると,「時間配分」,「住む場所」,「つきあう人」が,一気に変わります.
ですから,自分の中にある価値感や考え方を大きく変えることができるのですね.

海外の人が,1ヵ月近いバケーションをとる.
というのも,「時間配分」,「住む場所」,「つきあう人」を変える事で,自分の考え方をリセットしているのかもしれませんね.

大学に勤務している先生が,海外に出張ばかりしている.
というのも,実は理にかなったことなのです.
常に最先端の知識を得るためには,自分自身も変化し続けないといけない.

そこで,海外の学会に参加するというのは,
学会参加中に時間配分を変える,短期間ではあるが住む場所を変える,学会で人と出会うことで,つきあう人を変えることが目的なのかもしれません.

廣島総合病院の藤本先生講演聞きました

昨日聞いた講演がすばらしかったので,少し紹介したいと思います.
Percutaneous vertebroplasty(PVP)とBalloon kyphoplasty(BKP)について.

藤本先生の講演でいいな.と思ったこと
1)PVPやBKPの治療成績を,前向き研究している.
2)統計処理を,統計の専門家に依頼している
3)治療成績を,患者立脚型の方法で評価
4)画像評価を,放射線科医が行っている

これは,一流の国際学会や論文を視野に入れた戦略です.
言うのは簡単ですが,ここまで,洗練された研究は本当にすごいと感じました.

特に,統計処理については,自己流でなんとなく行っているドクターが多いと思います.
でも,専門家に介入してもらうことで,スダディーデザインの段階から,正しい研究を行えます.
統計処理を専門家に依頼するというのは,今後視野に入れておこうと思います.

さらに藤本先生は,NASS(North American Spine Society)という国際学会にも参加されています.
海外の最先端を知ることで,日本の医療のすぐれた点と足りない点を理解できますから.

2012年2月22日水曜日

英会話の教材など

定期的に,ご紹介している英会話教材ですが,
現時点で,ベストと思うものを記録しておこうと思います.

医学に関連した教材
1)国際医学会発表テクニック―CDで学ぶ

この教材は,海外の学会に参加する時は,必ずiPhoneに入れておいて,飛行機の中やホテルで聞いています.
学会特有の質疑応答について扱われているので,英語の学会発表にはうってつけ.

2)JBJS Am Pod cast

iPhoneやiPod touch持っているなら,超おすすめ.
英語の練習になるばかりでなく,最新のJBJS amに関する話題にも詳しくなれます.

日常英会話
1)耳から覚えるコーパス厳選150語

このCDを丸暗記すれば,日常英会話に必要なフレーズは,ほとんど大丈夫ですね.
何十回,何百回と聞いて,丸暗記しましょう.

2)Cross-Cultural Seminar (Podcast)

これは,本当に良い教材だと思います.
大杉先生とスーザンさんのトークは,声がきれいで,とても楽しく聞く事ができます.
海外と日本の違いに関する話題が中心なので,ここで勉強したことは,海外からきた人と話す時にも話題にできますね.

2012年2月18日土曜日

4月から,学生係りをすることになったよ.

神戸赤十字病院から,岡山大学整形外科に異動して
もうすぐ3年.
その間,医局では,「オペ室連絡係り」
という仕事をしました.

これは,普段の手術枠の調整に始まり,
平成25年に新しくオープンする,新オペ室の準備など.

特に,新オペ室の準備に関われた事は,大変勉強になりました.

新オペ室ができる事で,かなりの予算が動きました.

脊椎外科としては
O-arm(整形外科領域のロールスロイス)とArcadis(ベンツ)を購入してもらえた.
他にも
ジャクソンテーブル
ナビゲーション機器
モニタリング機器
といった大型機器を購入することができました.

これらは,僕らが手術をする際に,大きな武器になります.
岡山大学では,非常に難易度の高い手術を行う機会が多いので,
それを少しでも安全に行うために,必要だと思い,申請しました.

他にも,手術室の画像システムの選定にも関われたから,
大変勉強になりました.

ですが,4月からは,医学生の研修を担当する「学生係り」
という仕事をすることになりました.

医学生の実習を充実させることは,将来的には,
入局者を増やすことにもつながり,教授が最も力を注いでいる領域.

大変やりがいがある仕事ですね.
頑張りたいと思います.

岡山大学整形外科のホームページがリニューアルしました


岡山大学整形外科のホームページ(HP)を,リニューアルしてちょうだい.
と教授に頼まれたので,3ヵ月近くかけて,プロジェクトにとりかかりました.

新しくなったHPがこちら.
岡山大学整形外科

新しいHPを作る際に,力をそそいだポイントとして
1)医学生や研修医の先生に,岡山大学整形外科に関心をもってもらえるようなHP
2)写真にはとことんこだわる
3)他の大学とは,違った雰囲気にしたい
4)SNSの要素を取り入れる

まず,最初に,北海道から沖縄まで,大学病院の整形外科HPがどんな雰囲気なのか
調べてみました.

かっこいいHPを作っている大学もたくさんありましたが,
個人的には
「少し,ドクターの年齢が高齢」
と思いました.

医学生が,HPを見るときに,たぶん意識するのが,
「自分が,5~6年経った時に,どんなふうに成長していたいか?」
ということ.
つまり,本当は,大学院生や専門医試験を受ける学年の先生が,
のびのびと活躍している雰囲気を伝えるのが一番効果的だと思いました.

それと,教授ってどんな人なんだろう.
というのも,もちろん興味の対象でしょう.

その辺りについて,自分なりにベストなものが作れたと思います.

そして,「写真」にもかなりこだわりました.
といっても,僕自身は,素人.
てことで,岡山大学医学部写真部に協力していただき,写真を集めました.

やはり,写真部の学生さんがとると,雰囲気のある写真がたくさんとれますね.
こちらが,「こんな雰囲気の写真が欲しい」と伝えると,
すぐに対応してくれます.
撮影の後半になると,学生さんの方から,
「これは,先生の欲しい写真ではないですね.」
など,こちらの要求をかなり上手くくみとってもらえました.
大変感謝してます.

最後に,こだわった点が,
「医学生,研修医向けのページにFacebookページをのせること」
実は,これ.
最初は,教授にダメ.と言われました,
当然といえば,当然ですね.

でも,リスクはあるものの,SNSを利用した場合のメリットが
すごく大きいと思ったので,何度か交渉した結果,
なんとか許可をいただきました.

新しくなったHPを,よろしくお願いします!

spine week 2012 アムステルダムに参加します


過去,2年ほどの間は,個人的にスランプの時期でした.
国内,海外ともに,論文や学会発表など,なかなか採択されない状況が続いておりまして.

でもでも.
最近,かなり上り調子です!

2012年の日本整形外科学会,日本脊椎脊髄病学会には,いずれも演題がとおりました.
昨年末には,日本整形外科学会の香港骨科exchange fellowshipも採択されました.

そして,2012年は,念願のSpine week (アムステルダム)に採択されました.
2題採択されたのですが,うち,1台はoral presentationです.

うーん.少しトンネルを抜けた感じがしましたね.

Spine weekというのは,ISSLS, NASS, SRS, CSRS-euro
といった学会が,1週間合同で開催される学会期間のこと.

初めての参加ですが,すごく楽しみにしています.

さっそく,最近,個人的に仲良くさせていただいている,
広島大学,和歌山医大の先生に参加状況を聞いてみました.

すると,両大学ともに,5名以上のドクターが参加するようです.

すごいですね...うちの大学は,自分を含めて2名の参加です.

国際学会に,医局全体として,たくさん演題を出して,実際に
それが採択されている医局がある一方で,
ほとんど国際学会には参加していない医局もあるのではないでしょうか?

先輩のドクターが,国際学会にたくさん演題を出している医局というのは,
本当に大きなアドバンテージがありますね.

大学の部活もそうですが,やはり,チーム全体のパワーが大きいと,
後輩も自然と力がつきます.

逆に,医局全体のモチベーションが低いと,そこに,やる気のあるドクターが
入局しても,なかなか活躍しにくいですね.

「みんな1題は,演題だすように」
と言われている医局に対して,
「国際学会の締め切りがあったことすら知らなかった.」
となってしまう医局とでは,かなりの差があります.

また,例えば,同級生がどんどん海外の学会に参加していたら,
「自分も頑張ろう」と思えますが
まわりに,そういった人がいないと,なかなか危機感をもてませんから.

それはさておき,最近は,Facebookで仲良くなったドクターがたくさんいますから,
アムステルダム出張も,すごくすごく楽しみです.
現地で,いろんなドクターと交流を深めたいと思います~!

2012年2月12日日曜日

OSGセミナーが無事終了しました

2/11に,OSGセミナーを無事とりおこなう事ができました.
今回のセミナーは,主に岡山大学関連病院の先生に
ご案内していたので,他大学の先生にはご案内ができませんでした(汗)

同じ日に,名古屋脊椎グループ(NSG)のセミナーも開催されたようです.
NSGを目標にして,OSGを立ち上げ,頑張ってきた経緯がありますので,
いろいろ考えるものがありました.

OSGも,なんとかデータベースが軌道に乗り始め,
現在4300例を超えるエントリーがあります.
そして,今年の3月には,福島で,豚を使用した
「ナーストレーニングコース」
を実施する準備がすすんでいます.

少しずつではありますが,組織の活動が充実してきています.

NPO法人の活動というのは,非常に大きなメリットがあります.
1)社会の中で遅れている領域をおぎなうもの
資本主義の体制では,利益を得にくいものに対する支援やサポートが,
どうしても不足しがちです.

脊椎専属ナースを育てる
とか
脊椎外科医になろうとする若手に,カダバーを使用して手技を指導する

などなど.
どれをとっても,みんなが非常に重要だと感じながらも,
それ自体は短期的な利益を生み出すものではありません.
(長期的には,大きな利益を生み出します)

そういった活動を,企業や患者さんからの寄付金をもとにして,
NPO法人がサポートしていく
というのは,すごく大きな意味があります.

先日,実家に帰省したところ,なんと,うちの母親も
別のNPO法人の活動に参加していると知り,びっくりしました.

母は,小学校の教員を定年退職した後に,
障害を持つ子供達のために,NPO法人の活動を行っているようです.

NPO法人は,定年を迎えたものの,高い専門性を持つ人達を
新たに社会の活動に参加してもらう組織としても有効だな.
と感じました.

2)ゼロから新しいアイディアを作り出す
Chikirinの日記 2012-02-01 変わらない。替わるだけ

大きな企業ほど,全く新しい事を始める(変わること)は,難しい.
特に日本においては.
ちきりんのブログには,「変わるのではなく,替わる」事で社会が変化していく.
と指摘されています.

全く同感ですね.

現在の社会にぽっかりと開いた穴をうめようと思ったら,
既存の企業に「変化」を期待するのではなく,
新しい仕組みやサービスを生み出す組織を作った方がスムースです.
そういった意味でNPO法人は,大きなアドバンテージがあります.
フットワーク軽いし,存続のために利益を生み出しつづける必要がありません.

でもでも
これは,企業にとっても利益があると思うのです.
企業が,全く新しい仕組みに参入するには,「リスク」を伴います.
しかし,寄付金という形で,NPO法人を支援するのなら,
リスクが軽減しますね.
そして,寄付金をもとに,NPO法人は,どんどん新しい事にチャレンジする.

NPO法人の活動を支援している企業というのは,
今後,社会的に評価されていくのでは?
と思います.

2012年2月5日日曜日

google documentすごいな

先日から,整形外科の有志でレジデントマニュアルを作ろう.
ということで,作業が始まりました.

がみ先生のアイディアで,今回のテキスト作りには,
google documentを使うことになりました.

google documentのすごいところは
1)複数の人が,同時に文章を書き足せる
複数の人が同時に同じファイルを開いて,文章が
入力できるのは,驚きでした.

2)みんなの作業進行状況が確認できる
人が文章をどのように書くのか?というのは興味深いです.
文章が少しずつ完成している状況をみていると,
「こんな工夫があったんだ」
と発見することがあります.

3)自分が休んでいる間にもテキストが追加されていく
これは,不思議な感覚ですね.
自分が書いている論文は,もちろん,前日作業したところから
勝手にすすむことはありません.
でも,google documentで共同作業していると,
前日自分が書き終えて,次の日ファイルを開くと,
別の人が作業を進めていることがあるので,
「親切なこびとが,夜の間に作業をすすめてくれたのかな?」
といった感覚です.

今まで,後輩の書いた論文を添削するときには,
wordに書いた論文を,メールでやりとりしていましたが,
次にするときは,google documentを使ってみようかな?
と思いました.

google documentを使った,論文作成に興味のある人は
下記も参考にしてみてください.


参考図書(これも,がみ先生に教えてもらいました)

2012年2月2日木曜日

何をするか?誰とするか?

時間には限りがあり,やりたい事や頼まれた事全てをすることはできません.

そこで,いくつか仕事を依頼されたときに,
「どの仕事をするか?」
という判断に悩むことがあります.

一見,おいしいな.と感じる仕事もあれば,
「これは,きつそうだな」
と思う仕事もあります.

僕が,仕事を引き受ける時の,最優先で考えているのは,
「何をするか?では決めず,誰とするかで決める」
ということ.

何をするか?に関しては,それが,自分にとって,やりがいのあるものか
どうか判断が非常に難しいです.

でも,誰とするか?
に関してはあまり悩みません.

旅行に行くときも
「どこにいくか?より誰と行くか?が重要」
と聞いたことがありますから.