今日は、癌研有明病院の澤村千草先生が、「アメリカの整形外科研修」というタイトルで講演されました。
澤村先生は、本質をスパッと言うので聞いてて気持ちが良かったですね。
アメリカでは、4年制の大学を卒業後、医学部が4年あって、そのあとさらに、resident、fellowを経て、やっと整形外科医として自立するそうです。
その間は、責任も少ないかわりに給料もだいぶ低いとのこと。
そして、fellowとして専門的な研修をできるのは、1年だけで、しかもその研修先は、面接などをクリアして勝ち取るのだそうです。
日本の医局にいると、良い意味でも悪い意味でも、勤務先は人任せ?(教室の人事)になりがちですね。
そして、日本における、キャリアについて考えてみました。
僕が医者になって、最初のオーベン(師匠)から言われたのが。
「最初の2年間で1番になりなさい」ということです。
僕は、かなりマイペースで、はつものに弱い、性質があるので、「最初の2年で一番」というのが、どうも高いハードルに思えました。
そして、1年目で頑張りすぎて、十二指腸潰瘍で入院したこともあります。
でも、今、そのオーベンの年齢が近づいて、この言葉の意味がよくわかるようになりました。
人生、どこかのタイミングでは、一生懸命がんばらないと、すてきなポジションはゲットできません。
そして、どうせ頑張るなら、最初に頑張りなさい、というのがメッセージです。
というのが、「最初に頑張る。とにかく頑張る。」→「少し良いポジションを得る。または、海外に留学するチャンスなどが得られる。」→「良い循環に入ると、さらにチャンスが得られて、結果がだせる。」
大学生のときにサッカー部に所属していました。
サッカーは11人でプレーします。11人以外は補欠ということになります。
この11人に選ばれた人は、高校までにサッカーの経験があった、とか、初心者だけどすごくうまい人達。
試合にでる人は、試合経験をつんでどんどんうまくなるし、でれない人は、経験がつめないので、レギュラーとどんどん差が開くという現象が起こります。
昔オーベンに言われた「最初の2年で1番になれ」というのは、「最初の2年でレギュラー(医師としてのポジション)を勝ち取れ」ということだったのでしょう。
一度ポジションを獲得すれば、その中でさらに鍛えられるので、自然に努力もできるし、実力もついてきます。
でも、最初にポジションが得られないと、補欠の位置から、レギュラーの座をうばわなければなりません。
最初についた差は、半歩だったかもしれませんが、これが数年たつとあっという間に大きな差に開いてしまいます。
ライバルが多い時ほど、半歩でも抜け出す努力が重要になると思います。
その時は半歩のリードかもしれませんが、数年立つと大きな差になるのでしょう。
追伸
澤村先生の話によると、整形外科領域の中で、アメリカで最も人気があり、給料が高いのは。。。
脊椎!だそうです。
日本だと、脊椎をしている医師は、3K的な印象が強いですね。
給料にはあまり反映されませんが、どこの病院でも忙しいし、手術には高いリスクが伴います。
でも、今日の話で、アメリカでは1番人気と聞いて、脊椎を専門としていることに、すごく自信が持てました。
確かに、ラボにきている医学生たちに、自分が整形外科医だというと「Cool!」と言われ、さらに脊椎外科医だというと「Great!」と言われます。
返信削除実際彼らに話しを聞いてみると、整形外科医にすごくなりたいが、かなりcompetitiveだとのことで、学生時代にかなり頑張らないと整形外科医になれないと言ってます。まして脊椎外科医はさらにその上だそうです。そのため、彼らも学生の間にできれば業績が欲しいので必死さがつたわってきます。
また、こちらのSalaryについて書かれているページ貼っておきますね。
http://www.drtracey.net/physiciansalaries.html
のりのり先生
返信削除コメントありがとうございます.
確かに,現地で脊椎外科医と名乗れる人は,相当な競争に勝ち残った人なので,Great!でしょうね.
SalaryのHP拝見いたしました.参考になりました.ありがとうございます.
ご無沙汰しております。
返信削除のりのり先生もお元気そうで何よりです。
アメリカでは、医学部のトップクラスは整形外科or放射線科を選択すると聞いております。
手術のインスツルメンテーション代の一部もDrの懐に入るとか・・・日本では考えられないですね。
僕はとことんMIS(maxではないです!)にこだわって行きたいと思っております!
ちなみに7月号の臨床整形に論文が載りました、よかったらご覧ください<(_ _)>
また英語論文がacceptされたら報告いたします、、、報告したいです!
ゆうゆ先生
返信削除お久しぶりです.
先生の論文拝見いたしました.圧迫骨折後の椎間孔狭窄って,見逃されてることが本当に多いですね.
先生の論文で指摘されているように,我々脊椎外科医でも,現在のMRIでは,なかなか正確な診断がつけにくいこともしばしばです.
私も,和歌山のMISセミナーに参加して,すっかり内視鏡のとりこです.でも,16mmは難しいっす.視野狭いっす.和医大の先生が使っているのみると,同じ16mmとは思えないです.
英語論文accept,応援してます.チームラビットの一員として(笑)
追加です。
返信削除こっちの医学生と色々話す機会があるので情報として書かせていただきます。
こっちの医学生はまず普通の大学を卒業してから医学部に入るので、大体30%くらいの学生はすでになんらかのPAPERを持っているそうです。今ラボに来ている医学生のうち2人がPAPERを持っていないので、CASE REPORTのネタを渡すとすごく喜んでおりました。
彼らはすでに医学部に入った時から競争は始まっていて、学生時代の成績・業績・指導した医者の推薦状などが、医者になるときに非常に響くらしいです。
ちなみにNativeだからCASE REPORTくらい簡単だろう?と聞くと、僕たちが読み書きができても、聞く・話すが難しいのとは逆で、聞く・話すはできても読み書きは難しいそうです。まだ医学生というハンデはありますが。
ゆうゆ先生の臨床整形のPAPERは少し前にInternetで題名だけは見させていただきました。全米中で有名ですよ(^^)
英文も期待してます。きっとY教授にも言われているでしょうねえ。また直接メールでもくださいね。
のりのり先生 コメントありがとうございます.
返信削除アメリカ人医師にとっても,最初の論文を書くのは,かなり高いハードルみたいですね.
論文を書くには,ルール(論理の展開,medical termなど)を覚えないといけないので,Nativeにとっても,トレーニングが必要なんでしょうね.
ゆうゆ先生の英語論文楽しみですね.すごく楽しみですね.
(ゆうゆ先生に密かにプレッシャーを与えてみました.笑)