2018年3月1日木曜日

骨粗鬆症:デノスマブからテリパラチドへのスイッチは注意を

先日来院された患者さんが,脊椎に多発椎体骨折がありすでにデノスマブ(プラリア)が投与されていましたが,その後に新規椎体骨折を生じていました.

骨密度がかなり低下しており,
「デノスマブよりテリパラチド(フォルテオ)の方が骨形成の効果が強いから,テリパラチドにスイッチするか?」
と考えました.

といっても,何らかの根拠がほしかったため,色々文献をあたってみると,閉経後骨粗鬆症について面白い論文をみつけました.
(スライドをクリックすると拡大できます)

Lancetに投稿された論文で
2年間テリパラチドを投与後にデノスマブにスイッチした群
2年間デノスマブを投与後にテリパラチドにスイッチした群
2年間テリパラチドとデノスマブを併用投与した後にデノスマブにスイッチした群
の比較です.

詳細は原著を読んでほしいのですが,結論としてデノスマブからテリパラチドへのスイッチは,進行性または一時的な骨損失を生じる.と結論づけられていました.

今回のケースにおいては,
・テリパラチドへのスイッチは行わずに,デノスマブの投与を継続する.
という選択肢がよさそうですね!



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