2018年1月21日日曜日

医師の上司が後輩にしてあげられること

最近は,後輩を指導する機会が増えました.
私が思う,医師の上司が後輩にしてあげられることで一番重要なことは

自分の経験したことの中から最適な方法を伝えること
例えば手術であれば,今の方法にたどりつくまでに,「この方法はここがイマイチ」とか「この方法は失敗が少なくて良いな」といった感じで失敗や成功を繰り返して,一定の型を手に入れることができます.

自分が10年かかって身につけた方法ですが,それを後輩に伝えるのには2〜3年で十分でしょう.その後輩は,先輩が10年かけて身につけた技術を3年で身につけて,残りの7年は,新しい方法にチャレンジすればいい.

そうやって医療というのは進歩していくのだと思います.

日本には守破離という言葉があります.
守破離(しゅはり)は、日本での茶道、武道、芸術等における師弟関係のあり方の一つ。日本において左記の文化が発展、進化してきた創造的な過程のベースとなっている思想でもある。個人のスキル(作業遂行能力)を3段階のレベルで表している。 まずは師匠に言われたこと、型を「守る」ところから修行が始まる。その後、その型を自分と照らし合わせて研究することにより、自分に合った、より良いと思われる型をつくることにより既存の型を「破る」。最終的には師匠の型、そして自分自身が造り出した型の上に立脚した個人は、自分自身と技についてよく理解しているため、型から自由になり、型から「離れ」て自在になることができる。出典wikipedia

もし,後輩が「将来は海外に留学したい」という希望しているのなら,
1)留学するためには,周囲に伝わる業績が必要(英語論文,学会奨励賞など)
2)同学年から頭一つ抜けるためには,とりあえず今から2年以内に英語論文を1本書く
3)大学院にすすんで,4年間の在学中に3年で研究を終わらせる.そして,最後の1年で留学させてもらう.
といった感じで,シナリオを描けます.

ちなみに,上記は,私が今ベストだと思う方法ですが,その方法を過去の私は知らなかったので,別のルートで海外に留学しました笑