2018年7月14日土曜日

勤務医の働き方について思うこと

働き方改革が議論される中,勤務医の働き方にも注目が集まっています.

私自身が注目していることとして
・当直を夜間勤務扱いにするかどうかをはっきりさせる
これまでは,「急性期病院で夜間の救急対応している医師」と「病棟の急変に対応するため,基本的には寝当直をしている医師」の区別が(実際の現場では)ありませんでした.
私は,上記の当直はどちらも経験がありますが,これは全く別物です.

「夜間救急に対応している医師」については,看護師,消防士などと同様に,夜間勤務として扱い,代休をきちんととれる体制を整えることが急務.これは,労働者(勤務医)を過労から保護するために必須の対策.


といっても,上記の矛盾ついては,過去何十年も放置され続けてきた問題であり,今回の働き方改革でも,放置される可能性が十分にあると思っています.


ここで,一番重要なのは,(上記の法整備が進むことを願いつつ)働き方の選択肢を増やすことです.「急性期病院でハードワークして,自分の技術をみがきたい」と考えている人にとっては,上記のような職場環境もなんとか耐えられるでしょう.けれども,「体力的に9時〜5時の勤務がよい」とか「勤務医としては,週3くらい働けば十分で,残りの時間は別の仕事をしたい」というニーズを持っている人は,社会がグローバル化するに従って,今後どんどん増えてくるでしょう.

働き方の選択肢が増えることのもう一つのメリットとして,(いわゆるブラックな環境から)人が自然に離れていくという効果も期待できるかもしれません.


特に,勤務医はハードワークを強いられる上に,税金負担のターゲットにもされており,今後単純に
労働力だけを提供して給与を得る
という道は,どんどん厳しくなるでしょう.
累進課税という性質上,労働時間を増やせば増やすほど,(所得を得るための)生産性は逆に減衰してしまいます.しかも,労働環境が過酷なのであれば,なおさらです.

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