2017年4月1日土曜日

医師の仕事はマックジョブとクリエイティブクラスに別れる?Part 1

現在の日本の医療システムにおいては,医師に対して"成果(リスク)に対する報酬"という概念がほとんどありません.悪く言えば,働いても働かなくても給料は同じ.そうであれば,診療科を選択する研修医の立場になれば,「定時に帰れて,リスクの少ない診療科」を選ぶことが合理的といえます.俗に言う(医者にとって)QOLの高い診療科です.

私が専門にしている脊椎外科は,それとは真逆で,緊急手術も多いし,リスクも非常に高いです.

ただ,合理的な考え方に従って,「定時に帰れて,リスクの少ない診療科」を選択すると,同じように考える人たちが集まるリスクにさらされます.そういった仕事は,他の人や物(ロボットやAI)に代替される可能性が高いです.

橘玲さんは,今後の仕事は(8:2の比率で)下記のような2つに別れると予測しています.
マックジョブ(8):マニュアル化された仕事(バックオフィス)
クリエイティブクラス(2):スペシャリストとしての仕事
私は,今はスペシャリストとして扱われている医師の仕事についても,今後マックジョブとクリエイティブクラスの2種類に別れていくのではないかと考えています.

クリニックで診察して処方するという行為(例えば骨粗鬆症の治療)は,人間一人でやろうと思うと,ものすごく広範囲の知識を網羅しておく必要があります(高血圧,糖尿病etc).ですが,高性能な診療サポートツール(インターネット経由で利用可能)が開発されてしまうと,一瞬で置換されてしまう可能性があります.一人の人間が生涯かけて,膨大な知識を勉強し続けるよりも,サポートツールをアップデータする方が圧倒的に簡単です.勉強している医師と,勉強しない医師の差も少なくなり,治療が標準化されます.

さらに言えば,僻地であろうが,都会であろうが,インターネットにさえ接続できれば,同じように質の担保された医療が受けられるため,とても生産性が高くなります(いずれは,病院に行かなくても,患者さん自身が,自分に対して適切な治療を選択できるようになるでしょう).将来的には,医師の仕事は,コンピューターに適切な質問(例えば高血圧の患者さんに最初に処方すべき薬は?など)をして,コンピューターの提示した答えを患者さんに適応するのが妥当かどうかの判断になるのではないでしょうか.



セミナーのお知らせ
2017年日本整形外科学会開催にあわせて
「プレゼンテーション」のセミナーを開催いたします.

タイトル:プレゼンテーションの未来を語る会
講師:杉本佳久 と 安倍雄一郎先生
日時:2017年5月19日(金)13:00〜17:30(予定)
会場:TKPガーデンシティ仙台
定員:15名
現在15名募集中8人のゲスト参加があり,残り7枠です!
参加希望の方はお早めに.

講演とグループワークを半々で行う予定です.
 医学系学会で使用されているプレゼンテーションの枠を超えて,
「いかにして相手のアクションを引き出すか?」
についてフォーカスしたいと思います.

安倍先生からは,最新のプレゼンテーションツールである
Preziを効果的に使う方法についてもレクチャーしていただく予定です.

企画 ・プレゼン天下一武道会 他

参加申し込みはこちらから