2017年4月2日日曜日

医師の仕事は,マックジョブとクリエイティブクラスに別れていくPart 2

では,脊椎外科医という仕事は安泰か?というとそうでもありません.中国などをみると,一つの巨大な総合病院に患者さんを集約して,そこで,年間数千件の手術を行うといったセンター化がなされています.1年に3回しか手術をしないドクターに任せるよりも,センター化された施設に患者さんを集めて,年間数百件の手術をしているドクターに任せるほうが合理的です.そのようなセンターに勤務すれば,数年で一流の外科医になれるほどの経験がつめるでしょう.技術革新が大きい脊椎外科の領域であれば,20年間トレーニングをつんだ医師であっても,最先端の手術手技を勉強できるセンターで数年トレーニングを積んだ若手医師に,実力で勝てなくなることは十分に考えられます.

今後,医師の仕事は,8割のマックジョブと2割のクリエイティブクラスに別れていく.
クリエイティブクラスで活躍し続けるためには
1)ロボットやAIに置換されにくく,患者さんのニーズが大きい領域の診療を続ける
2)それを非常に高い生産性(たくさんの患者さんを効率的に治療するスキル)で続けていく.
といったかなり高いハードルを超えなければならなくなる.

そして,そのような領域であっても,ブラック・スワン(医学の常識を一夜にして変えてしまうようなパラダイム・シフト)の出現によってニーズが激減する可能性もあります(外傷について言えば,自走車に乗ることで交通事故に合う確率が激減するなど).

医師として,クリエイティブクラスの仕事をし続けるのは,本当に厳しいなと思いをめぐらす,今日このごろでした.


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