2017年10月29日日曜日

人を信頼するのが得か,裏切るのが得か?

久しぶりに面白い本を発見したのでご紹介.

エリック・パーカー著 残酷すぎる成功法則


橘玲:エリック・バーカー『残酷すぎる成功法則』序文

そこで,興味深いエピソードが紹介されていました.
「人を信頼するのが得か,裏切るのが得か?」

囚人のジレンマとは?
共同で犯罪を行ったと思われる囚人A,Bを自白させるため,検事は2人に次のような司法取引をもちかけた.もし,お前らが2人とも黙秘したら,2人とも懲役2年だ. だが,お前らのうち1人だけが自白したらそいつはその場で釈放してやろう(つまり懲役0年).この場合自白しなかった方は懲役10年だ.ただし,お前らが2人とも自白したら,2人とも懲役5年だ.

 この時,2人の囚人は共犯者と協調して黙秘すべきか,それとも共犯者を裏切って自白すべきか,というのが問題である.なお彼ら2人は別室に隔離されており,相談することはできない状況に置かれているとする.Wikipediaより引用

このシチュエーションでは,1回のジャッジとなりますが,実社会においては,同様のジャッジを,何百回,何千回と繰り返します.

ここで,最終的に得をするのは,どういった戦略なのでしょうか?
・常に相手を100%信頼する戦略,常に相手を裏切る戦略...

回数を重ねた時に,一番得をしたのは,非常にシンプルな戦略だったそうです.

最も単純なプログラムは,たった二行のコ ードから成り,しかも誰もが子どものころから馴じみのある戦略 ,「しっぺ返し 」だった.初回ラウンドではまず協力し,その後は前回のラウンドで相手が選んだ選択を真似し続けるというものだ.つまり,前回相手が協調したなら,今回自分も協調する.前回相手が裏切ったなら,今回自分も裏切るというわけだ.書籍より引用

これは,私自身の経験に当てはめてみても,矛盾のない戦略でした.
一つ目のポイントは,「最初の一手は,無条件に相手を信頼して,協力する.」ということ.多くの成功者は,基本的には,ビジネスパートナーを信頼して,協力することで成功を手に入れています.ですから,新しいビジネスチャンスをつかむことを考えたら, 最初の一手で,相手を裏切るというのはありえない手であることがわかります.

しかし,世の中には,残念ながら,信頼をベースにビジネスができない人が一定数います.そういった相手に,「常に相手を信頼し続ける」という戦略は,相手に利用されるだけの関係になります.そのような相手から一定の距離を置くためにも,二回目の手は,「前回相手が選んだ選択肢を採用する」というもの.

めったにないと思いますが,最初の一手で,相手が裏切ってきたとしても,次の一手で,相手から協力の一手がでれば,次からは,お互いに協力し合う関係が築けます.

うーん.なるほど.非常にシンプルだけど,人生の基本戦略として腑に落ちました.
最初の一手は信頼.次からはしっぺ返し.

過去の記事:手術をする際に欠かせない関係とは?