2017年6月24日土曜日

圧倒的強者と大多数の弱者の関係性

圧倒的強者と大多数の弱者の関係性について2つの記事を紹介します

一つ目は,整形外科医のブログ記事:ランチェスター戦略を自らに応用
強者の戦略が実行できるのは,全体の0.5%しかなく,残りの99.5%は競争条件が不利な弱者となるので,ほとんどの人は弱者の戦略を採らざるを得ません.


二つ目は,橘玲さんの新書に掲載されていた記事です.

生物学者の稲垣栄洋氏( 『弱者の戦略 』新潮選書 ) は最初に 、 「生物の世界の法則ではナンバ ーワンしか生きられない 」と断言します 。このことは 、ゾウリムシとヒメゾウリムシという 2種類のゾウリムシをひとつの水槽で飼うことで確かめられます 。水やエサが豊富にあるにもかかわらず 、最終的に 1種類だけが生き残り 、もう 1種類のゾウリムシは駆逐されて滅んでしまうのです。
このように生き物の世界は 「弱肉強食 」ですが 、それが唯一の掟というわけではありません 。同じような実験でも 、ゾウリムシとミドリゾウリムシはひとつの水槽のなかで共存できます。
なぜこんなちがいが生じるかというと 、ゾウリムシとミドリゾウリムシは棲む場所とエサが異なるからです 。ゾウリムシは水槽の上の方にいて 、浮いている大腸菌をエサにしています 。一方 、ミドリゾウリムシは水槽の下の方にいて 、酵母菌をエサにしているのです 。このように 、同じ水槽のなかでも棲んでいる世界が異なれば競い合う必要もなく 、共存が可能になります 。これを生態学では 「棲み分け 」と呼びますが 、 「ニッチ 」の方がわかりやすいでしょう 。生き物は棲む場所を 「ずらす 」ことで競争を回避し 、自分だけのニッチを確保しているのです 。 
ここでのポイントは 、 「ニッチがあれば必ずそれを埋める者が現われる 」ということです 。 
このようにして 、自然界ではすべての生物がオンリ ーワンであり 、なおかつナンバ ーワンであると稲垣氏はいいます 。逆にいえば現存する生き物は 、昆虫や微生物も含め 、長い進化の歴史のなかで 「自分だけのニッチ 」を探し当てたのであり 、そうでない生き物はすべて滅んでしまったのです 。 

0.5%の圧倒的強者と99.5%の弱者の関係
そして
(圧倒的多数である)弱者の戦略としては,自分にとって快適(生存可能?)なニッチを探し,そこでオンリーワンかつナンバーワンとなること.

これは,自分にとって非常にインパクトのある内容でした.
・大多数が,無思考かつ惰性で進んでいく方向には進まない
・むしろ大多数が選ばない選択肢の中から,自分にとって最適な居場所を確保する戦略

もし,「皆がそうしているから」というだけで,色々なことを選択し続けてしまうと,生物一般の論理であれば死滅,人間であれば,ラットレース,レッドオーシャンで戦い続ける未来が待っています.

時々立ち止まって,自分の戦略を俯瞰してみたり,ニッチを探しあてる名人に話を聞いてみたりするのも大切なことですね.