2017年6月8日木曜日

イエローカードの存在しないサッカーの試合は成立するのか?

公立中学のいじめや授業妨害といった問題について.

公立中学は,"義務教育"である以上,問題のある生徒を教育の場から退場させることができません.そのため,昔は,「度を超えた振る舞いをすると,こわい教師に殴られる」というイエローカードがありました.(教師の暴力を擁護しているわけではありません)

ですが,時代の流れの中,周知の通りこのイエローカードは現在では使うことは許されません.

私立中学には,「度を超えた振る舞いをすると,退学になる」というレッドカードが存在します.

こわい教師に殴られるという「イエローカード」もなく,度を超えた振る舞いをすると退学になるという「レッドカード」もない公立中学において,問題行動のある生徒達をコントロールすることは可能でしょうか?

これをサッカーの試合に例えてみましょう.仮に審判がイエローカードもレッドカードを持たずに試合をジャッジするとします.悪質なファールに対して,相手選手が激昂して報復行為をします.しかし,審判にできることは注意するだけです.報復行為はエスカレートして,ついには殴り合いが始まってしまいました.

公立中学のいじめや授業妨害について,「警察を呼べばよい」という意見もあります.しかし,それは,イエローカードもレッドカードも持たない審判がサッカーの試合をコントロールできなくなった時に,警察を呼べば良い.という意見と同じくらい心に響きません.イエローカードの存在しない公立中学において,生徒の秩序を保つことがどれくらい難しいかを考えてしまいます.