2017年6月4日日曜日

医療のコスト意識について

「コスト意識がある人」と「コスト意識が無い人」の違いについて考えてみました.

例えば,手術後の創の処置について
少し極端な例ですが

・毎日消毒して,ガーゼ交換する.採血を毎日して炎症の値をチェックする.

・基本ガーゼ交換はしない.埋没縫合にしておいて,4日目にガーゼを外して開放する.

毎日傷をみていたら,2日目に傷が赤くなったのを確認できて,感染が早期に発見できるかもしれない.採血で炎症のデータが,3日目に上昇したのに気づくかもしれない.
そう考えると,前者のように行動することに,否(ひ)はないのでしょうか?

しかし,そこには大きなコストを生じています.
・採血をする人,検体を運ぶ人,検体を解析する人,消毒を担当する医師,看護師といった人件費
・医師が採血結果を確認する時間
・採血に関するコスト,ガーゼ,消毒といった消耗品のコスト

そして,この2つの方法で,アウトカムに決定的な違いは生じるのでしょうか?
2日目に気づいても,4日目に気づいても,対応方法は同じかもしれません.
(もちろん全く同じでは無いと思います.)

特に,意思決定すべき医師が,医療の現場において,コストを度外視して,「絶対安全?と思われる方法を採用」してしまうと,その周囲には,見えない膨大なコストが発生していることがあります.

特に,その処置をするのに,どれほどの人の手間がかかっているか?については時々意識しておいた方がよさそうですね.
結果に決定的な差がない場合は,できるだけ人の手がかからない方法を採用した方が良いのかもしれません.