先日ご紹介した本に面白い話題がありましたので,
一部ご紹介いたします.
ゲームには
将棋や囲碁のような"完全情報ゲーム"
(お互いの手の札が公開されている)
と
麻雀やポーカーのような"不完全情報ゲーム"
(相手の手の札をみることができない)
があります.
我々の行っている日常診療というのは,
後者に近い.
不完全情報の中で,
治療の勝率を上げるためには
・医師の臨床技能 (clinical expertise)に基づく治療
と
・臨床研究によって築かれたエビデンスに基づく治療
を統合して,勝率を上げる必要がある.
エビデンスがあるからする.
エビデンスがないからしない.
といった考え方は間違い.
その一方で,個人の臨床技能だけに頼って
エビデンスを知らないのもいけません.
という結果であったとしても,全体の中には,
治療Bが有効な人もいる.
実臨床という不完全ゲームでは,
Clinical expertiseとEvidenceを統合して
自由に操れるプレイヤーが勝利するのでしょう.