2017年12月5日火曜日

医師のキャリア Part 3:勤務医がお金に困る理由(人生100年時代の到来)

皆さんの周りにも
・定年退職後も,個人病院などで,外来を続けておられる勤務医
がいらっしゃるのではないでしょうか.

団塊の世代より少し前の世代であれば,
・定年退職後は,(わずかな)退職金と年金で悠々自適に過ごす
というライフプランが成立していました.

ですが,現在50歳より下の世代にとって,上記のキャリアは成立しないでしょう.

年金支給額が減ることも一因ですが,もっともっと大きな問題として
・人生100年時代の到来
が挙げられます.

現在,女性の平均寿命は約87歳,男性の平均寿命は約81歳です.
そして,実際には多くの人にとって寿命はさらに長いのです.
なぜかというと,これらの年齢には,生まれた直後に亡くなった方,若くして亡くなっ方が含まれているため.

現在40歳の男性は,これから先,(平均して)81歳 − 40歳=41年生きる
というのは正確ではありません.

正確には,平均余命を計算する必要があります.
平均余命(よめい)とは,ある年齢に達した人たちが,その後,平均で何年生きられるかを年齢別死亡率から計算して示したもの

 平均寿命とは0歳時の平均余命

そう考えると,すでに40歳になった人,50歳になった人は,平均寿命より長く生きます.
それに加えて,今後医療技術が向上することも期待されますから,人生100年時代というのは,かなり現実味を帯びたライフプランなのです.

医師の場合
・勤務医として30歳から定年の60歳まで30年働いたとします
ただ,その間も,子供が高校から大学に進学する時期は,なかなか思ったほど貯蓄が増えない時期もあるでしょう.

・定年の60歳から90歳までも30年間
給料の半額を貯金していたのであれば,リタイアしたあとも,残りの30年間で同じ生活を維持できます.
でも,そんな条件を満たす人というのは,本当にごく僅かだと思います.


定年(60歳)で,安定した職場から退場させられてしまう勤務医.思ったほど資産を作りだせなかった勤務医は,その後どうやって生活に必要な所得を手に入れたらよいのでしょうか?
というのは,特別な設定ではなく,ありふれたシナリオだと思います.

次回に続く