2017年12月31日日曜日

今までと,そしてこれからと

年末という良い機会なので,自分自身のキャリアについて考えてみました.

私が医師になったのは2000年.
当時は現在のような研修システムはなく,1年目から整形外科医として働いていました.
医局の人事で,2001年に肢体不自由児施設に転勤し,そこで合計3年間過ごすことになりました.

その施設は,病院といっても,救急車がくることは,3年間で1度もありませんでした.(てんかんの重積発作の患者さんを,総合病院に搬送したことは1度ありました)
整形外科と言えば,外傷,救急,手術です.整形外科医になって,これからやってやるぞ!という時期だったので,医師としての目標を完全に見失ってしまいました.

それでも,自由時間が,ほぼ無限に近く感じられるほどたくさんあったので,論文を読んだり,学会発表に興味を持つようになりました.
(今もお世話になっている)当時の上司とは,よく飲みにいきました.
「せっかく医師になったのだから,一度は世界の舞台で活躍してみたらいい.それをサポートするのが上司の役割だ」と言われたことを今でもよく覚えています.

・ありあまる時間 ✕ 世界の舞台で活躍
というキーワードから,
「英語論文を量産できたら,何か道がひらけるのでは?」との仮説をたてました.

最初に書いた論文がJBJS Brにacceptされたことも自信となり,一気に階段を駆け上がりました.英語論文を量産すると,大学病院に勤務するキャリアを得ました.
大学病院では,難易度の高い手術にもたくさん挑戦させてもらい,ほんとうに貴重な時間を過ごすことができました.

そして,(当時の年齢としては,)英語論文の数が,一定の評価を上回ったおかげで,
日本整形外科学会から選出されて,2012年には香港,2013年にはアメリカ西海岸を訪問することができました.肢体不自由児施設で過ごしていたときに描いた,「世界を舞台に活躍する」という目標は,(自分なりには)達成できたかな?と思える瞬間でした.

瞬間最大風速としての英語論文数で,世界の舞台に立ってみたものの,それを生涯続けることは容易ではないことにも気付かされました.

アカデミックポジションで,自分のキャリアとしては最高到達点に達したこと,でも,それを生涯維持することはできないという現実.サッカー選手が引退後のキャリアについて悩み始めるのと同じように,当時は,自分の今後のキャリアについて悩む日々でした.

そこで最大の転機となったのが,2015年にサンフランシスコのUCSFに手術見学に行かせてもらった経験と出会いでした.
過去の記事 UCSF留学:セレンディピティー?

サンフランシスコでは,素晴らしい医師達と関わることができましたが,それ以上に新鮮だったのは,文化や生き方の多様性.レインボーフラッグ(知らない人はググってみてね)を掲げたお店に連れて行ってもらったことも良い経験となりました笑.レインボーフラッグのお店で出会った人たちは,(決して恵まれた環境ではありませんでしたが)自分の意思で,自分の生き方を選択している人たちでした.

・自由な空気
・(既存の道とは大きくことなる)キャリアや生き方の多様性
そのようなキャリアを歩む人達をたくさん見ることができたのが大きな成果でした.

そして,「このようなキャリアや生き方を日本で再現することはできないか?」という大きな研究テーマと出会いました.

自分の人生のステージにあったキャリアを自由に選択できるようになること.
もっといえば,「今はない新しいキャリアを作り出すこと」
そのために必要な法則をみつけてみたい.法則がみつかれば,それを後に続く人たちが真似すれば良いわけです(再現性が生まれる).

そのような新しい研究テーマを見つけたものの,自分の周囲には同じようなことを考えている人がいませんでした.そのため,当時は,「もしかして,何か間違った方向に自分はすすんでいるのか?」と悩むこともありました.でも,人生というのは,上手くできているもので,自分がしっかりとした目標(旗)を掲げて,情報発信(私の場合はブログ)していると仲間が見つかります.当ブログに頻回に登場している整形外科医のブログ主がその人でした.

過去の記事:整形外科医のブログの先生と飲みました!

その後に,整形外科医のゆるいブログ主ともお会いして,これまでに書いてきたような私のキャリアとは全くの別ルートで山を登ってきた人たちと,偶然出会えたような感覚をもちました.
登ってきたルートは全く異なりますが,
・自分がやりたいことをはっきりと自覚していること
・既定路線とは,全く異なる独自の考えに基づいて行動していること
・最終的には,生き方の自由を手に入れるために行動していること

サンフランシスコで感じた,キャリアや生き方の多様性を日本で再現するためには,このようなユニークな人達と集まり,知恵や経験を共有することができれば面白いなと感じています.

そんなこんなで今年最後のブログとなりました.長文となり申し訳ありません(汗)

そして,最後にいつものCMも少々(笑)





Facebookの非公開グループで,毎週様々なテーマについて情報共有をしています.興味のある方はぜひ!